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この映画に登場する人びとは、高汚染地域とされた福島県飯舘村と川内村で、農を営み、地道に自らの役割を生きています。みなそれぞれ自然との関わり方、いのちへの接し方で私たちに何かを告げているようです。
山菜と薬草の研究をしている現代の仙人は、山の生きものたちと共生しています。ドブロクづくりの名人は、妻を亡くしながらもモリアオガエルの卵のふ化を待っています。獏原人村の住人は、山奥で鶏を飼いながら理想郷づくりを目指し、放射線量を測り続け、「満月祭」を催しています。飯舘村で地球の鏡のような田んぼを見ている女性は、木々を包み込む蛍の夏を待っています。
動物や虫たちや草木などと共にいのちを繋げ、当たり前に日々を暮らしている人たちが登場するこの作品は、3.11 以後の人生の静かなドラマを親しみを込めて記録したものです。
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この作品は、よくあるTVドキュメンタリーとはかなり異質な作品です。
勿論、福島原発の事故をきっかけに作られた作品ではあるのですが、その問題を追及するとか、また声高に反原発を叫ぶものでもありません。そうしたものをも広く包み込む、豊かな人間的な世界を描いたものです。
ですから、性急にメッセージやテーマは何かと、狭く意味を求めるのではなく、この作品のゆるやかな時間、自然の生命の声と人間味あふれる世界に、ゆっくりと身をゆだねる様にして観ていただきたいと思います。
今回、主に撮らしてもらった4人の方たちは、その最初の出会いから終わりまで、一度も涙を見せたことのない人たちでした。他人の想像もできないような苦境の只中に居ながら、悲嘆に沈むことなく、淡々と、時には笑顔さえ浮かべて、いろいろな事を話してくれました。
私が何よりこの人たちに惹かれたのは、大地に生きる底力を、自然に包まれた生命力というものを、さりげなく見せてくれたからかもしれません。この人たちの輝き、しなやかな強さ、優しさはどこから来るのでしょう。
今では、この人たちこそ、暗闇の中で光る蛍なのだと思うのです。
監督 加藤 鉄 巻頭言より
登録情報
ジャンル:ドキュメンタリー
製作年:2011年
製作国:日本
収録時間:100分
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